ストロベリー・ゲーム
藍子もなんとなく、真広のことが心配になったんだろう。
「どんなことでもいいの。話してくれない?」
「はあ?」
わけがわからないといった風に真広が苦笑いする。
でも私も聞きたい。真広が大丈夫じゃない気がして仕方がない。
「俺は、ただの高校生だよ。友達もいる。アルバイトしてて、一人暮らしもしてる。両親はいなくても、十分恵まれた環境で育った。充実してる。毎日」
淡々と真広が述べる。
真広、何か、変じゃない?
「......スマホ、貸してくれる? ちょっと気になることがあるの」
「いいけど」
藍子が真広から白のケースのスマートフォンを受け取る。
なにか操作している間の沈黙が怖いのか、「電池減ってるからあんまり使うと、いざってときに使えないよね」と藍子が言った。まあ、確かにそうかも。私は「うん」と頷いて会話を繋げる。