ストロベリー・ゲーム
「いないの? 友達」
デリカシーのない質問だとは分かりながらも、やはり気になってしまう自分がいる。
藍子にも真広にも、私は何も言えず、二人を交互に見ていた。
「いるよ」
「じゃあ消したってこと?」
「友達は......消さなきゃいけない理由があったんだ。もう、忘れた」
「両親はいつ亡くなったの?」
「やめよ、こういう話。聞いてて嫌になるじゃん? 二人とも。俺も。俺もさ......あんまり思い出したくないから」
藍子の質問に、真広の目からどんどん光が失われていく気がした。
もうこれ以上私から聞いたら、真広を追い詰めてしまいそうで怖い。藍子が聞いてくれてなくて、自分がただ好奇心だけで質問していたら、真広はこんな風に疲弊していったんだ。