ストロベリー・ゲーム

聞いているだけの第三者だから、真広の様子だけに意識を向けられる。
真広はプライベートな質問は嫌がっている。人間関係?

......でも、ここが大事なんじゃないかって思うのは、気のせいかな。



「いつか話せる時に話してくれる?」

「いつかね」


藍子の提案に真広は笑っているけど、作り笑いなんだろう。
もう少し、話題を逸らした方がいいよね。

藍子は空気が読めないと自分で言っていたけど、相手の心にまで気を配る余裕がないのかもしれない。別に私に余裕があるってわけでもないけどね。


「苺は食べれそう?」


私は話題を変えるために口を開いた。
藍子も聞きたいことはある程度聞けたよう。もうそれ以上はなにも真広に聞かなかった。
< 87 / 232 >

この作品をシェア

pagetop