ストロベリー・ゲーム


まず110番にかけてみてから気づいたのは、スマートフォンに圏外表示が出ていて、繋がらなかったこと。

そして、

「そもそも自分達の居場所が分からない以上、今の状況を説明することすらできないよね?」


私の発言を聞くや否や、真広も藍子もハッとしたような顔をした。
私も少しパニックになっていたから、すぐには気づけなかったけれど。


「そっか......どうしよう。あたし達、閉じ込められてるってことだよね? なんとかしてここから出ないと」


藍子の言う通り、私達は誰かの手によって閉じ込められたのかもしれない。
自分達からこんな密室に入るなんて思えない。頼りになるのは、真広の記憶だけだ。

そう思い真広に尋ねてみる。

「思い出せない? なにも」
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