闇に咲く華
「顔をあげて下さい。」
組員全てが顔をあげ、私に視線が注がれる。
もちろん大和たちも私に視線を向ける。
「長い間席を空けてしまい、申し訳ありません。澤田が本格的に動きだしてきています。私は負けず、立ち向かおうと思う。」
皆は一斉に承知と口にし、頭を下げた。
姫野も、清宮も、川城も神子芝も、優杏さんも必ず守る。
前を向かないと…。
「奏希叔父様、私が全うに組を引っ張れるよう補佐を。そして、大和たちの育成も。大和、新、芳樹、陽介、これからも幹部として、そして組員の育成を。優杏さん、新と共に、姫野の情報を守り、敵の情報を探ることをお願いします。そして、本日より優杏さんは姫野組のみが知る、シークレット組員として自分の情報を隠すように。組員は大和の女として守ることを命ずる。」
長々と失礼しました。解散。
そう言うと、組員たちは各自仕事に戻る。
さてと…、まだ大仕事が残ってる。
今日までの姫野の状態、全ての情報を頭に叩きつけないと…。
「今までの資料、私に見せてください。総会までに頭に入れます。」
そう言うと、奏希叔父様は目を見開き、アワアワしだす。
叔父様ですら、半年かかったのを、今から約3日で頭に入れるんだもの。
そりゃアタフタするわね。
「言ったら頑として聞かないからな。」
大和は焦る自分の父親を片目に、資料を何十冊も運び込む。
「付き合ってやるよ、読み終えるまで…な。」
ありがとう。
資料を頭に入れると同時に、ヒカリノハコについても考え答えを出さないと。
父はどこに証拠のUSBを隠しているのだろう。
「総会まであと…3日。」
集中しないと。