闇に咲く華
本当、連日頭がパンクすることばかり。
「何でこれを伝えようと思ったのかな?」
父からのメモを開いて再度目を通す。
紙の三分の一当たりに書かれている父の文字。
ん?
三分の一?
何で余白をこんなに残したのかしら?
日に当ててみたり、触ってみたりと角度を変えながら見てみる。
よく見ると、筆圧の後が見られる。
何か書いてから消した…?
シャーペンを出して、文字が書かれていたであろう場所を黒く塗っていく。
読み通り、何か書かれていた。
『莉依の机の引き出し、上から2段目。』
そう書かれていた。
私の机の引き出し?
2段目の引き出しを開けるも、空っぽで何も無い。
「何も無いじゃな…。」
言葉が途中で出てこなかった。
幼い頃、父が私に言っていた言葉を思い出す。
私が机でお絵描きをしていると必ず言っていた言葉。
『目には見えなくとも、その裏には必ず真実がある。』
引き出しを引っ張り出して裏を見る。
…が何も無い。
「あるわけ無いか…。」
でもよく見ると、1ヶ所色が違くなっているのに気付く。
よく見ないと分からない程の違い。
マイナスドライバーなら隙間にはいるかな。
マイナスドライバーを持ち出して、隙間には入れ、テコの分量で動かす。
「開いた…。」
薄めの空洞になっていたそこには、白封筒が入っていた。
中には二枚の小さめの便箋。