闇に咲く華
私たちは一緒の部屋。
男たちはリビングが有り得ないほど広いので、そこで雑魚寝。
清宮の大広間よりでかいかもしれない。
恐るべし…神子芝財閥…。
荷物を置いてデッキに出ると、見渡す限り海海海!
感動と共に押し寄せてきたのは、"不安"。
県をまたいだお泊まりでも、何か起きてしまうのではないのかと。
お願い神様。
ここに居るときだけは、何も起きませんように…。
「そう思ってるときに限って、何か起こるのよね…。」
思わず口に出してしまいながら海を眺めていると、頬がヒヤリと冷たくなったことに驚く。
驚きを隠せないような表情で振り向いていた。
私、今物凄い顔をしているはず。
「なーに考えてんのよ。ここに居るときだけは、全て忘れて楽しみなさい!」
「そうですよ?ここにはお兄様と川城の組員がいますし、清宮の方々もいますから、安心ですわよ!」
「ハハっ。最強だわ!そりゃ安心だよ!」
折角の4拍5日のお泊まりだし、3人で5日間のやることを決めながら、キャッキャとスマホで色々調べる。
もちろんご飯も!
「明日、楽しみだね!」
「莉依は、ハシャギ過ぎて迷子にならないようにね。」
「えー、それ満里奈でしょー?」
「まぁまぁ、お2人さん。」
女子の夜は長い。
会話が弾みすぎる前に切り上げて、私たちは明日に備えて眠ることにした。