闇に咲く華
翔樹side
腹が立つ。
自分から提案したのに、後悔してる。
まさか莉依が、あんなにも無防備で水着を着ているなんて思いもしなかった。
危うく、言ってしまいそうになった"俺だけの…"と言う言葉を、必死に飲み込んだ。
そして、莉依から離れると、龍也が莉依の側にいた。
何やら楽しく談笑中。
それを見て更に機嫌が悪くなるのに気がつく。
それに気づいた龍也は、俺のところまで走ってきた。
「おいおい。婚約者のいる身の俺に、焼きもち焼くなよな。」
肩を竦めながら、笑いをこらえている。
目付きが悪いなりして、ちゃっかり未来の奥さんがもういるコイツ。
コイツは俺と違って、サラッと甘い言葉やらを言ってのける。
「莉依に変なこと言ってねーだろうな? 」
俺の言葉に更に笑いをこらえている。
コイツ、からかいに来たのか?
「えー?なにー?僕は何言ってるのか分かりまっせーん。」
「いっぺん埋めようか?」
俺の言葉に、龍也は顔を青ざめながら必死に「やめろ!マジでやりそうだから。」と言う。