闇に咲く華
龍也が言うには、その情報の細工があり得ないくらいの巧妙なモノで、ブロックが固く突破できないとのこと。
澤田にそんな強力な情報参謀はいない。
鴻巣泰我…。
一体何者なんだ?
「まだ確信は持てない情報だから、他の奴等には話すなよ。」
そう言って、俺の目をしっかり捕らえる。
「もし、姫ちゃんの耳にでも入ってみろ。やっとあそこまで表情豊かになったのに、闇に再び落ちるぞ。」
「あぁ。引き続き、情報をかき集めろ。」
もう、莉依を闇にのみ込ませてたまるか。
感情をなくした幼いあのころの莉依が、俺やお袋、親父たちを信じ、やっと戻った明るい莉依。
それを苦しめる澤田。
完膚なきまでにつぶしてやる。
莉依を必ず守る。
命にかえても。
俺の大切なひとなんだー…。
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