お姫様は恋してる？
一叶に会わないなら帰国の必要もないと夏休みも年末年始もニューヨークで過ごした。

そんな俺を訪ねて、アパートに来たのは一誠だった。

「よぉ、秀介。」
　
「一誠、どうしたんだ？」

「仕事で来たついでに将来の義理の息子（予定）の顔を見に来た。」

「な、何…本気か？」

「ほら、酒買って来たから飲もう。お前が日本にいないから飲む相手がいなくて。」

「陸斗さんがいるじゃないですか。」

「家族がいる人間だと誘いにくいんだよ。秀介はうちの家族みたいなものだし。」

「いいのか？俺が義理の息子でも。」

「まぁ一叶が、ぶれなければだろうけどな。」

そう言って意地悪な笑いをこちらに向ける一誠(一叶の父親)を今夜は潰れるまで呑ませてやろうと思っていたのに潰れたのは俺の方だった。

「いちかぁ、なんで３０も下なんだよぉ。」

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