お姫様は恋してる?
バレンタインの日は、金曜日だったから一叶を食事に誘った。

学校帰りの一叶と待ち合わせするからスーツだけど、前髪下ろしてメガネもメタルフレームから黒のボストンタイプにして少しでも若く見えるように足掻く俺ってどうなんだろうと思う。

「秀介、お待たせ。」

カッコつけて一叶をエスコートし、一叶の服を着替えさせるべくホテル内のブティックに着いた。

高校生になって、一叶はさらにきれいになった。

そりゃ、周りの男どもが放っておくわけないよな。

ボルドーのワンピースは、いつもより大人びて見えてドキッとする。

本当に俺は、一叶の側にいなくて大丈夫なんだろうか。

彼氏作ってもいいなんて言ったことをいまもの凄く後悔しているくせに…

< 69 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop