生きる意味
小学6年生。

転校してから4年ほど
ずっと仲良くしてくれていた友達がいた。

家も近くて少し大人しめだけど
とても可愛い学校でも人気のある女の子。
名前はひなちゃん。


『あー!お家帰りたくなーい!』
ある日の下校中私がそんな言葉を漏らすと

「何かあったの?」と心配そうに
聞いてきてくれるひな。

『うーん、おじいちゃんがちょっと、ね』

「私でよければ話聞くよ!今度の土曜日、隣駅までお出かけとかどう?」

『え!電車のるの楽しそう!行こ行こ!』

優しいひなは私を家から
連れ出してくれた。


小学生のお小遣いじゃ
せいぜい電車代とお昼代くらいしか無かったけど、それでも家にいるより
気持ちは楽だった。


土曜日。
私とひなは駅でプリクラを撮ったり
街をブラブラして回った。

お昼になり、小さなファミレスで
ご飯を食べていると

「そういえば、悩んでた事って?」
とひなから話を切り出してくれた。

『実はおじいちゃんがちょっと病気で…』

私は溜め込んでいた事を
ひなに話した。

何かが解決する、なんて期待は
なかったけど話すだけでも
少しは気分が晴れるような気がした。



だけど次にひなから出た言葉は
信じられないものだった……
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