裏切りの顚末
「麻梨(まり)。ごめん……」

「何に謝ってるの?」

「あの写メのこと……」

「私、四日間出張で居なかっただけだよね?」

「だから、ごめん……」

「直ぐにバレるような浮気してごめんって?」

「…………」

「バレなきゃ黙ってるつもりだったんでしょう?」

「それは……」

「あの子、あなたの同僚だよね?」

「あぁ……」

「毎日傍に居る人には敵わないって事か……」

「そうじゃなくて……」

「もう、いいよ。別れよう」

「麻梨……」

「私が無理だから」

「二度としないから……」

「そう言えば許されると思ってるんだ」

「そうじゃないけど……」

「他の人を抱いた腕で、何でもない顔して私も抱くつもりなのよね?」

「…………」

「ごめんね。私、もう信じられないよ。あなたに触られるのも嫌だから」

「麻梨……」

「今までありがとう。昨日までは幸せだったから……感謝してる」

「もう駄目なのか?」

「駄目にしたのは、あなたでしょう?」

「麻梨を愛してるんだ」

「ごめん。嘘にしか聴こえない」

「麻梨……」

「彼女を抱く時、私の事なんて忘れてたのよね?」

「それは……」

「私はその程度の存在なんだよ」

「違う……」

「違わない」

「…………」

「これで終わりにしよう。さようなら」

「麻梨……」

「あの人とお幸せに……」

< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop