【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない

大きな瞳を見開いて、口をぽかんと開けながら首を傾げる。
ノースリーブのワンピースからは、桃菜の白く華奢な手足が露出される。

何を言われたか理解出来ないようにぽかんとしている表情を見ても、やっぱり桃菜は可愛い。

大きな瞳に小さな顔とピンクの唇。 こういう女の子が守ってあげたいと男性に思わせられるのだろう。

「桃菜、ちゃんと仕事しているよ?」

「店長以外の人の言う事もきちんと聞かなくちゃ駄目だよっていう事。
レジで喋ってばかりじゃ駄目じゃない。桃菜が仕事しなかったら、その分違う人に負担かける事になるんだからね」

「でも……」

しょんぼりとした顔をして、下を向く桃菜の右手に持っているアイスが溶けてぽたりとアスファルトに落ちていく。

そんな顔をされたら自分が悪者になったみたいで、私が桃菜を追いつめているみたいじゃないか。
顔を上げた桃菜のピンク色の形の良い唇がゆっくりと動く。

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