【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
「それとこれとは関係ないよ。 男っていうのは結婚してても何歳になっててもいつでも恋をしていたい生き物だからね」
「さらりとクズ発言するの止めて貰えます?」
「市ヶ谷さんは可愛げがないなあ~。一応新婚さんなんだろう?旦那さんにもそんな態度だと、新婚でも浮気されちゃうよ。
うちの女房も全然可愛げがないし、家に居たらいたで俺を邪魔者扱いするから、今の心のオアシスは桃菜ちゃんだけなんだ~」
クズ発言の上にモラハラまでするとは
そういう男だというのは何となく気が付いていたけれど、やっぱり一緒にいるの嫌だ!
大体この人私が実はボヤージュの御曹司の妻って知ったら手のひらを返して来そうなタイプなんだよな。
まあ、あえて小早川さんには私が伊織さんの妻である事は内緒にしてもらっているんだけど。話してもこの人は信じてくれないだろうが…。
「そんな事よりさっさとレジ閉めして下さい。私早く帰りたいんですから。
バックヤードの片付けしてきますから、早くしてくださいね」
「はいはい、分かっていますよ。 はぁー…桃菜ちゃん明日は元気になっているといいんだけど」