【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
第七章 伊織SIDE これはもう契約結婚ではない
第七章 伊織SIDE これはもう契約結婚ではない
「う…おおぃ…!何をするんだ…突然…!」
「きゃんッ…」
市ヶ谷 伊織。28歳。
結婚三ヵ月弱。 妻の友人と裸で抱き合って、妻に家を出ていかれる。
今正にその状態なわけだ。 無論全て誤解である。
「痛ぁ~い…伊織んったら酷い…。何も突き飛ばさなくてもいいじゃないですかあ…。病人ですよ」
「な、な、な、何をいきなり裸になって…
一体どういうつもりだ…」
「どういうつもりって寝ている桃菜の寝室にこそこそ入って来たのは伊織んじゃないの。
そういうつもりなのかなあーって…」
「そういうつもりってどういうつもりだ…! ただ今日は真凛が仕事で遅くなるっていうんで、真凛から君の具合いが悪いって聞いたから様子を見に来ただけじゃないか」
「えぇ~…でも寝ている女の子の所にやって来るなんて普通そのつもりなのかなあって勘違いしちゃうじゃないですかあ」