【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
「何を…。 俺は、真凛が好きだ」
「はぁ?!何で?!」
「何でと言われても理由なんて言いようがない。 取り合えず俺は君とそういう関係になるつもりはないから、こういう事をするのは止めてくれ。
真凛が誤解をして家を出て行ってしまったじゃないか。
俺は今から真凛を迎えにいく」
「一人にしないでよぉ…!
真凛ちゃんの事全然好きじゃないくせに…!
それに真凛ちゃんより桃菜の方が女としてずっと魅力的でしょう?!
桃菜知っているんだからね、二人が好き合って結婚したんじゃないって事。
伊織んはおじいさんに言われて仕方がなく真凛ちゃんと結婚したんだもん」
確かに彼女の言う通り俺と真凛は互いの祖父母の願いによる契約上での結婚だった。
その話は遡る事四ヵ月前の話だ。