【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
それでも私は知っているのだ。
桃菜が人一倍寂しがりやで、決して幸せだとはいえない家庭環境で育ってきた事。
女の人が苦手な理由は、父親の再婚相手と仲良く出来なかったからで、だから桃菜は女性との人間関係をうまく築けない。
そんな中、私に出会えて心から嬉しいと言ってくれた事。
腹の底では何を思っていたか知らないけれど、桃菜に頼られるのが嫌いじゃなかった。
「桃菜さんの事なら、俺に任せて貰えませんか?」
「小早川さんに?けれど…それじゃあまた小早川さんに迷惑をかけちゃうんじゃあ…」
「俺なら平気です。我儘な妹は沢山いて、慣れています。
それに真凛さんは周りに気を遣いすぎです。たまには誰かに我儘を言って甘えたっていいんですよ。
それに真凛さんは桃菜さんと話しをする前に、伊織と話し合う事が重要です。
だから、桃菜さんの事は任せて」