【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
第十章 いつかこの愛を必然だと甘えられるようになればいい
第十章 いつかこの愛を必然だと甘えられるようになればいい
「そんな女の事など放って置けばいいのに、君は本当に世話焼きでお節介だな」
伊織さんと互いの気持ちを確かめ合って数日後。
まだまだ問題は山積みだ。
まずは母の問題。 ’寂しい’と毎日言われるので、実家には二日に一回は顔を出すようにしている。
けれどそれは時間が解決してくれると信じている。 なんせあの母だ。弱々しいが立ち直りも人一倍早い人だ。
「一応こっちの方で無断欠勤の事は何とかしていますので」
「ありがとうございます、小早川さん」
「碧人も碧人だ。 構ってやる必要もないだろう。」
「取り合えず今は和泉さん…?の所にいらっしゃるみたいですが、中々俺の言葉には応じようとしないようで」
「蒼汰の所に?!だって…桃菜は蒼汰に浮気をされて別れたって言ってましたけど」
「ええ、現在の彼女とも関係を続けながら桃菜さんを匿っているようですね」
「何それ…最低な奴…」