【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
「いやいや…寧ろ珍しい事なんですよ?桃菜って男の人の前では誰にでも自然にスイッチが入ってああいうキャラになるんですけど
珍しく小早川さんの前では自然体だなあって思ってて。
ある意味素でいれるって大切な事ですから。
本当に小早川さんには桃菜の事から何まで迷惑をかけてスイマセン…」
ぺこりと頭を下げ顔を上げると、小早川さんはにんまりと笑って私の頭に手をかけようとした
すると伊織さんは
「さっきから何故お前達は俺を無視して楽しそうに話を進めていやがる」
小早川さんの右手をぎゅっとつねって、今にもキレそうな顔をしているのだった。
バッと手を離したかと思えば、強く足音を立ててキッチンの方へ行ってしまった。
そんな伊織さんの様子を見て、小早川さんはくすりと笑う。 そしてそっと私へ耳打ちをした。
「ヤキモチ妬きな伊織の一面も見れて、新鮮です。」
「アハハ~…なんか小早川さんをライバル視していますよね」