【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
「おばさんだが怪しい女ではない。一応身元はちゃんとしている。
だからまあ、真白…よろしく頼むよ。色々と面倒を見てやってくれ」
だから何であんたまで’おばさん’扱い?! 年齢でいえば碧人さんの方が年上ではないか。
「俺は別にいいけどなあ。また家が賑やかになりそうだし」 と言ったのは碧人さんの父親である。
どうやら性格も碧人さんとは正反対らしく、楽観的で適当らしい。 そんな父親を碧人さんはぎろりと睨みつけた。
対称的に三姉妹からは歓迎されていない模様。
特に一緒の部屋で寝る事になった長女からはひと際冷たい視線が送られる事となる。
「本当に最悪なんだけど!」
ぶつぶつと文句を言いながらも、彼女は自分の部屋まで私を案内してくれた。
その後ろを二人の姉妹もついてくる。 …二人はまだ小学生くらいだろうか…。
それにしても碧人さんと妹達は歳が離れすぎている。 それにこの家には’お母さん’という人物が存在しないようだった。
先程いたリビングには家族写真が数枚飾られていた。
多分……この家の’お母さん’だった人の写真も。