【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない

碧人さんの家庭の事情は詳しく知らない。

「真白ちゃん、本当に大変だねぇ。朱莉《アカリ》と(ラン)の部屋じゃなくって良かった。
三人で寝るには狭すぎるもんね」

「本当に最悪…!お兄ちゃん酷すぎるッ…。
てゆーかおばさん、布団はその中に入ってるから勝手に出してよ?」

クソ生意気なガキだ。 口も悪い。

長女の言葉に次女はげらげらと笑っていて、一番後ろをついてきている小さな三女は黙って私の方を見つめていた。

どちらにしても居候の立場…大人しくしてやろうと思ったけれど…何歳であろうが女は苦手だ。
特にこの長女の真白という奴はえらく私をライバル視しているように見える。

「あんた、何歳よ?」

「は?15歳だけど?」

「桃菜は25歳。あんたとは10歳も歳が違うの」

「ふーん、おばさんじゃん。 つーかまさかおばさん、あおくんに気があるの?」

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