【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない

あおくん…?
ああ、小早川碧人の事か。

成程ね、お兄ちゃんが連れて来た女だから、無条件に気に食わないらしい。
どうやらこの三姉妹、相当のブラコンに違いない。

「まさかあー、この桃菜が碧人さんに気があるわけないでしょう?
向こうは知らんけど」 …いや、碧人さんこそ私には全く持ってその気はないだろうけど
ただただクソ生意気なガキをからかうためにその場に踏ん反り返る。

「まあ、碧人さんとはデートとかしちゃってるけど?」

デートとはいっても、伊織んと真凛ちゃんのデートを邪魔するのを阻止されて、一緒にお出掛けしただけだけど
しかしその言葉にはだいぶダメージがあったようで、妹達は分かりやすく顔を歪めて戸惑っていた。

「あおくんがおばさんみたいな女とデートするはずない…!
あおくんの元カノ達は皆大人の素敵な女性だったもの。
あんたなんかあおくんのタイプじゃない…!絶対に!」

「あっそーー。でも桃菜は碧人さんに無理やりデートに誘われて嫌々一緒に休日を過ごしただけだし?
そもそもこんな家になんか来たくなかったのに無理やり連れだしたのは碧人さんの方よ?」

< 282 / 284 >

この作品をシェア

pagetop