【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
「何ですか…?」
「いや、別に何でもないけど。 つーか何でソファーで寝てんだよ」
「寝てたわけじゃ…!私はあなたにお話があって!
だってこの一ヵ月無断外泊はするし、帰ってきたかと思えば夜中だったり
私が起きていると既にいなくって…全然あなたと話をする機会がなかったから…」
そこまで言うと、更に彼は不思議そうな顔をした。 な、何よ?!私となんて話す事はないって事…?
全く考えの読めない男だわ…。
形ばかりの入籍と結婚式を挙げただけでろくに話もしようとしなかったんだから。
「話って何だ?」
「だから色々と…!お互いの事とかこれからの私達の事とか、私達は話さなくちゃいけない事は沢山あるでしょう?!」
「お互いの事を知って何になる…?」
ブラウンの髪をかき上げて、彼は面倒くさそうにそう答えた。
どうやらうんざりしているようだ。
あーあー…これじゃあ話し合いにもなりやしなさそう。