【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
「おはよう。 やっと起きたか。 体の調子はどうだ?」
ずかずかと足音を立てて彼の前に行き、両手をテーブルの上に叩きつける。
その衝撃で体中がずきりと痛む。
「つぅー……」
「おいおい、大丈夫かよ。 取り合えず座れよ。頭も痛ぇだろう?」
頭も痛いだろうですって?よくもぬけぬけとそんな事が言えるわね。
まさか頭まで殴ったの?
じゃあこの頭の痛みは二日酔いではなく、彼からのDV被害ってわけ?
…ますます許せない。 女性を殴っておいて涼しい顔しちゃって。
「昨日はよくも殴ってくれたわね…?!あなたが冷血な人だっていうのには何となく気が付いていたけれど、自分よりも弱い者に暴力を振るう人だとは思わなかったわ!」
「はぁ?!!???」
私の言葉に彼は焦ったようにその場に立ち上がり、腕を掴む。
その衝撃で腕がずきりと痛んだ。
「痛ッ!何するのよッ。青あざになっている所を掴まないでよッ…!」
「うお……す、すまん。
しかしおま…いや真凛…君なんか誤解してるんじゃないか?」