優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
しーんとして広くて薄暗い倉庫で段ボールを開けて中身を確認していると、階段からコツコツと誰かが降りてきた。
数人の若い女子社員が顔をだした。
「あの、よかったら手伝いましょうか」
「えっ!?」
「私達、広報部にいて呑海主任の部下になるんですけど、大量に発注するように言われて……」
申し訳なさそうな顔をしていた。
「逆らえなくて、その」
「……そうなんだ」
私はちょっと泣きそうになった。
手伝いに来てくれたことが、嬉しかったのもあるけど、水和子お姉ちゃんがわざとそうしたんだと分かって、段ボールの山をぼんやりと眺めた。
そうじゃないかなと思ったけど……それを認めたくなかった。
水和子お姉ちゃんは私にとってなんでもできる凄い人で、いつも壱哉さんの隣にいても霞むことなく、羨ましいと思っていたから。
「大丈夫です。広報部の仕事もあるのに気にかけて頂いてありがとうございます」
来てくれた人達にぺこりと頭を下げた。
「それだけじゃないんです」
「私達、呑海主任が営業二課の課長と話している所を目撃していて……でも証拠にならないって言われて」
「だから、せめて手伝わせて下さい」
それを聞いて確信した―――水和子お姉ちゃんは私が嫌いなんだってことを。
当たり前だよね。
こんな妹じゃ。
でも、きっとお姉ちゃんが私のことを嫌いなのは私が鈍臭いだけじゃない。
やっとそのことに私は気付いたのだった。
数人の若い女子社員が顔をだした。
「あの、よかったら手伝いましょうか」
「えっ!?」
「私達、広報部にいて呑海主任の部下になるんですけど、大量に発注するように言われて……」
申し訳なさそうな顔をしていた。
「逆らえなくて、その」
「……そうなんだ」
私はちょっと泣きそうになった。
手伝いに来てくれたことが、嬉しかったのもあるけど、水和子お姉ちゃんがわざとそうしたんだと分かって、段ボールの山をぼんやりと眺めた。
そうじゃないかなと思ったけど……それを認めたくなかった。
水和子お姉ちゃんは私にとってなんでもできる凄い人で、いつも壱哉さんの隣にいても霞むことなく、羨ましいと思っていたから。
「大丈夫です。広報部の仕事もあるのに気にかけて頂いてありがとうございます」
来てくれた人達にぺこりと頭を下げた。
「それだけじゃないんです」
「私達、呑海主任が営業二課の課長と話している所を目撃していて……でも証拠にならないって言われて」
「だから、せめて手伝わせて下さい」
それを聞いて確信した―――水和子お姉ちゃんは私が嫌いなんだってことを。
当たり前だよね。
こんな妹じゃ。
でも、きっとお姉ちゃんが私のことを嫌いなのは私が鈍臭いだけじゃない。
やっとそのことに私は気付いたのだった。