優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
存在価値がなくなるというか。
特技が少ないからね……。
「日奈子、一緒にお風呂に入る?」
「だめですっ!」
それはきっぱり断った。
仕事どころじゃなくなるから。
壱哉さんはがっかりしていたけど、仕方ない。
私は不器用で簡単に切り替えたりなんかできない。
すぐに頭がいっぱいになってしまって何もできなくなる。
今日から改めて仕事を頑張らせて頂く所存なんだから!
壱哉さんと恋人になったんだから、足を引っ張るわけにはいかない―――!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
取締役が集まる会議が午前中にあり、出席しなくていいと言われて一人で仕事をしていると、杏美ちゃんがやってきた。
しばらく会えなかったから私の様子を見に来たようだった。
「お兄様と洋館に住むことにしたのね」
「そうなの。杏美ちゃん、知ってたんだ」
「知ってたも何も……。あの家はおばあ様が生まれ育った大切な家なのよ。お兄様が小学生の時、どうしても欲しいっておばあ様にお願いしたのよ。お兄様が大人になにかお願いするのを見たのは後にも先にもその時だけだったわ」
しょ、小学生!?
特技が少ないからね……。
「日奈子、一緒にお風呂に入る?」
「だめですっ!」
それはきっぱり断った。
仕事どころじゃなくなるから。
壱哉さんはがっかりしていたけど、仕方ない。
私は不器用で簡単に切り替えたりなんかできない。
すぐに頭がいっぱいになってしまって何もできなくなる。
今日から改めて仕事を頑張らせて頂く所存なんだから!
壱哉さんと恋人になったんだから、足を引っ張るわけにはいかない―――!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
取締役が集まる会議が午前中にあり、出席しなくていいと言われて一人で仕事をしていると、杏美ちゃんがやってきた。
しばらく会えなかったから私の様子を見に来たようだった。
「お兄様と洋館に住むことにしたのね」
「そうなの。杏美ちゃん、知ってたんだ」
「知ってたも何も……。あの家はおばあ様が生まれ育った大切な家なのよ。お兄様が小学生の時、どうしても欲しいっておばあ様にお願いしたのよ。お兄様が大人になにかお願いするのを見たのは後にも先にもその時だけだったわ」
しょ、小学生!?