優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第4話 私の周りはレベルが高すぎる
初日は社内の案内だけで終わった。
帰る前に会議室で明日からの説明を受けていて気づいた。
みんな、友達ができてる!
すでに新入社員の中でも仲のいいグループが出来始めていて、私は完全に出遅れてしまっていた。
同じ大学から入社した人達や就職試験で仲良くなった人達が固まっているみたいで、入る隙がなかったのもある。
しょんぼりして座っていると、集団の中に一際、派手な―――明るいピンクのスーツを着た杏美ちゃんがいるのが見えた。
目を合わせたら、駄目だ。
たしか、熊だったか、猛獣だったか忘れちゃったけど目を合わせたら襲ってくるんじゃなかったっけ!?
バッグの陰に顔を隠して、杏美ちゃんを避けた。
だって、会ったら―――
「ドン子じゃないの」
ほらね!?ドン子って呼ばれたあああ。
取り巻きの人達が『ドン子だって』『あだ名?本名?』と囁きあい、笑っているのが見えた。
社会人になってもドン子呼び決定の瞬間だった。
「ドン子。遅刻しないでこれたのね」
「そっ、その、壱哉さんが助けてくれて」
えへっと照れながら笑うと杏美ちゃんが笑った。
帰る前に会議室で明日からの説明を受けていて気づいた。
みんな、友達ができてる!
すでに新入社員の中でも仲のいいグループが出来始めていて、私は完全に出遅れてしまっていた。
同じ大学から入社した人達や就職試験で仲良くなった人達が固まっているみたいで、入る隙がなかったのもある。
しょんぼりして座っていると、集団の中に一際、派手な―――明るいピンクのスーツを着た杏美ちゃんがいるのが見えた。
目を合わせたら、駄目だ。
たしか、熊だったか、猛獣だったか忘れちゃったけど目を合わせたら襲ってくるんじゃなかったっけ!?
バッグの陰に顔を隠して、杏美ちゃんを避けた。
だって、会ったら―――
「ドン子じゃないの」
ほらね!?ドン子って呼ばれたあああ。
取り巻きの人達が『ドン子だって』『あだ名?本名?』と囁きあい、笑っているのが見えた。
社会人になってもドン子呼び決定の瞬間だった。
「ドン子。遅刻しないでこれたのね」
「そっ、その、壱哉さんが助けてくれて」
えへっと照れながら笑うと杏美ちゃんが笑った。