優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
私のせいで壱哉さんの立場がそんなに悪いものになるなんて、考えてもみなかった。
安島さんは私が何もできないだろうと思って言ったのだろうけど。
『お姉さんの方だったら、こうはいかなかったな』という言葉がずっと耳に残って動けなかった。
そんなのわかってたはずなのに。
今さら、言われたところで傷つくなんておかしい。
けど、その言葉は以前よりもずしりと重く自分にのしかかってきたのだった―――

< 143 / 302 >

この作品をシェア

pagetop