優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第35話 おせっかい?
日曜の午後、アップルパイを焼いて杏美ちゃんを招待した。
シナモンの香りと甘酸っぱいリンゴの匂いが家の中に広がっていた。
杏美ちゃんは大好きなアップルパイを前にして嬉しそうにしている。
私はそれとなく、結婚を考え直すように言おうと決めていた。
タイミングを見計らって、と言いたいところだけど、今のところ、そのチャンスはない。
でも、このアップルパイに私はチャンスを見いだしてみせる!
「おいしそうね」
「おおきめに切るね!」
張り切って、カリカリのパイにケーキナイフを入れて、取り分けて皿にのせた。
「杏美ちゃん。今日、どこか出かけていたの?」
「ウェディングドレスの調整に行ってきたのよ。オーダーメイドだから」
「そうなんだ……」
今、言うべきか言わないべきか。
紅茶をティーカップに注ぎ、置いた。
「あ、あのね、杏美ちゃん」
「なに?」
アップルパイを食べる杏美ちゃんを見た。
いつも私を心配してくれる杏美ちゃん。
私だって、心配なんだから言ってもいいよね?
「安島さんだけど、好きじゃないなら、結婚を考え直せないかな?」
「家のためよ」
「どうしても?」
シナモンの香りと甘酸っぱいリンゴの匂いが家の中に広がっていた。
杏美ちゃんは大好きなアップルパイを前にして嬉しそうにしている。
私はそれとなく、結婚を考え直すように言おうと決めていた。
タイミングを見計らって、と言いたいところだけど、今のところ、そのチャンスはない。
でも、このアップルパイに私はチャンスを見いだしてみせる!
「おいしそうね」
「おおきめに切るね!」
張り切って、カリカリのパイにケーキナイフを入れて、取り分けて皿にのせた。
「杏美ちゃん。今日、どこか出かけていたの?」
「ウェディングドレスの調整に行ってきたのよ。オーダーメイドだから」
「そうなんだ……」
今、言うべきか言わないべきか。
紅茶をティーカップに注ぎ、置いた。
「あ、あのね、杏美ちゃん」
「なに?」
アップルパイを食べる杏美ちゃんを見た。
いつも私を心配してくれる杏美ちゃん。
私だって、心配なんだから言ってもいいよね?
「安島さんだけど、好きじゃないなら、結婚を考え直せないかな?」
「家のためよ」
「どうしても?」