優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
常務の役員室前に白い封筒がぽつんとある。
拾い上げ、中を確認すると、招待状みたいで―――役員達を招いての食事会のお誘いだった。
料亭かあ。
きっと高級料亭だよね。
秘書になってから驚いたのは、その交遊費の高さだった。
食事に行っただけで数万円もかかるとか、驚いてしまう。
こんな贅沢が世の中にあるんだなあって思う。
その招待状は役員が集まる食事会らしく、日時を見ると壱哉さんのスケジュールには入っていない予定だった。
「壱哉さんに渡す招待状なのかも」
その招待状を手に部屋に戻った。
「壱哉さん。この招待状、廊下に落ちてましたよ」
「うん?」
手を伸ばして壱哉さんが受けとると中を見た。
一瞬、壱哉さんの顔が強ばったような気がしたけれど、すぐに笑顔を作って私に言った。
「そうみたいだな」
「よかった」
気のせいだったみたい。
「それじゃ、予定にいれておきますね」
「頼む」
スケジュールを手帳に書き込んだその瞬間、部屋をノックする音が響いた。
「壱哉、入るぞ」
尾鷹のおじ様だった。
慌てて、立ち上がり一礼した。
「なにか?」
拾い上げ、中を確認すると、招待状みたいで―――役員達を招いての食事会のお誘いだった。
料亭かあ。
きっと高級料亭だよね。
秘書になってから驚いたのは、その交遊費の高さだった。
食事に行っただけで数万円もかかるとか、驚いてしまう。
こんな贅沢が世の中にあるんだなあって思う。
その招待状は役員が集まる食事会らしく、日時を見ると壱哉さんのスケジュールには入っていない予定だった。
「壱哉さんに渡す招待状なのかも」
その招待状を手に部屋に戻った。
「壱哉さん。この招待状、廊下に落ちてましたよ」
「うん?」
手を伸ばして壱哉さんが受けとると中を見た。
一瞬、壱哉さんの顔が強ばったような気がしたけれど、すぐに笑顔を作って私に言った。
「そうみたいだな」
「よかった」
気のせいだったみたい。
「それじゃ、予定にいれておきますね」
「頼む」
スケジュールを手帳に書き込んだその瞬間、部屋をノックする音が響いた。
「壱哉、入るぞ」
尾鷹のおじ様だった。
慌てて、立ち上がり一礼した。
「なにか?」