優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
買い物の途中とか、大雨の時とか。
タイミングよく杏美ちゃんが現れ、貴戸さんが運転する車で送ってもらった―――もうそんなこともなくなるんだな……。
しんみりとしながら、車に乗り込む杏美ちゃんを見届け、車が見えなくなるまで手を振った。
仲直りできてうれしかった。
本当の気持ちを聞けたことも。
よかった。
杏美ちゃんと話すことができて。
けれど、どうすることもできないまま、杏美ちゃんの結婚式の日はももうそこまで迫ってきていた。
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