優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第39話 友人の結婚式
六月になり、とうとう安島さんと杏美ちゃんの結婚式になってしまった。
披露宴の会場は高級ホテルで招待客が大勢いた。
私の見知った顔を探したけど、大勢の中でわかったのは渚生君だけだった。
「日奈子ちゃん」
渚生君が私を見つけて、手を振った。
「渚生君も招待されていて、よかったです。知ってる人がいなくて」
「枯れ木も山の賑わいってやつだよ」
「枯れ木なんかじゃないですよ」
渚生君は女の人達の視線を集めていた。
そこにいるだけで、華があって、人の目を惹きつける。
「今日は壱哉に日奈子ちゃんのそばにいるように頼まれているからね」
「私の?」
「壱哉は親族席だし、相手が安島だからね。気が抜けないんだろう」
「そんな険悪な関係なんですね」
「それはそうだよ。壱哉と新郎の安島さんは今、社長の椅子を争っているんだ。隙あらば、本家を乗っ取りたいってのが、安島の本心だよ」
お家騒動みたい―――みたいじゃなくて、そうなんだ。
だから、杏美ちゃんが結婚することで両家の仲をなんとかとりもとうとしている。
披露宴の会場は高級ホテルで招待客が大勢いた。
私の見知った顔を探したけど、大勢の中でわかったのは渚生君だけだった。
「日奈子ちゃん」
渚生君が私を見つけて、手を振った。
「渚生君も招待されていて、よかったです。知ってる人がいなくて」
「枯れ木も山の賑わいってやつだよ」
「枯れ木なんかじゃないですよ」
渚生君は女の人達の視線を集めていた。
そこにいるだけで、華があって、人の目を惹きつける。
「今日は壱哉に日奈子ちゃんのそばにいるように頼まれているからね」
「私の?」
「壱哉は親族席だし、相手が安島だからね。気が抜けないんだろう」
「そんな険悪な関係なんですね」
「それはそうだよ。壱哉と新郎の安島さんは今、社長の椅子を争っているんだ。隙あらば、本家を乗っ取りたいってのが、安島の本心だよ」
お家騒動みたい―――みたいじゃなくて、そうなんだ。
だから、杏美ちゃんが結婚することで両家の仲をなんとかとりもとうとしている。