優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第42話 結託【水和子 視点】
私の処分は謹慎期間が終われば、子会社へ出向。
そんな話だった。
私が子会社?
屈辱的すぎる。
私が会社で日奈子にしたことは壱哉から両親に伝えられた。
両親には叱られ、緋瞳(ひとみ)には馬鹿にされ、今までこんな扱いされたことがなかった。
家では部屋から出る気になれず、両親や妹の緋瞳は冷たい。
今まで、あんなに私をもてはやしておいて落ち目になったら、こんなものよ。
これも全部、あの日奈子のせい。
食事を摂るのに部屋から出ると、緋瞳がいた。

「家政婦さんが作った食事が置いてあるわよ」

緋瞳は自分が食べ残した食事を指差した。

「こんなもの、私に食べろって?」

「それしかないわよ。お姉ちゃんが悪いのよ。あーあ。日奈子がいなくなって不便だわ」

「家政婦さんが掃除と食事をしてくれるでしょ」

「洗濯はしてくれないわ。日奈子は今頃、壱哉さんと楽しく暮らしてるわけね」

「黙りなさいよ!」

「やだー。怒らないでよ」

こわーいと緋瞳はおどけたように言った。
なんなの?
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