優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
「安島社長。私の配属先はどちらになりますか?」

「どこがいいかな?」

そんなの決まっている。

「壱哉の秘書にして頂ければ、監視もできますし、日奈子を他の課にまわして、仕事が出来ないことを理由にクビにもできます」

「なるほど。悪くないな。壱哉のお気に入りをクビにしてやるのも面白い」

「ええ。かなり壱哉はダメージを受けるでしょうね」

それを聞いた安島さんはにやにやと人の悪い笑みを作った。

「早く壱哉の悔しがる顔を見たいな。#呑海__どんみ__#さん。明日から頼むよ」

「はい。水和子とお呼びください。安島社長」

「水和子さん?」

「水和子と」

「わかった。やっぱり姉の方が賢いな。壱哉も人を見る目がない」

本当にそうよね―――安島さん、あなたは壱哉より優れているわ。
だって日奈子じゃなく、この私を選んだのだから―――ね?



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