優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第5話 配属先は
水和子お姉ちゃんと離れた場所にしてくださいって確かに神様にお願いしたよ?
ありがとう神様。
願いは叶いました。
けれど、これは―――
「どういうことよっ!」
白のスーツを着た杏美ちゃんが辞令発表を見て声を張り上げた。
「私はともかくドン子が秘書室!?しかも、お兄様付きの秘書ってなにかの間違いでしょ」
だよね。
もう一度見てみよう。
辞令の紙を見た。
何度見ても秘書室って書いてある。
専務付きの秘書。
「ど、どーしよ!杏美ちゃん」
「それはこっちのセリフよ!ドン子がお兄様の秘書だなんて!尾鷹商事を潰す気!?尾鷹商事はお兄様あっての尾鷹商事なんだからね!?わかってるの?だいたいお兄様は今まで秘書はいらないって言ってたのに」
確かに壱哉さんなら、秘書は必要なさそうだった。
それなのになんで―――?
「なんなのあの子」
「専務付きとか」
「よっぽど能力が高いのね」
ごっ、ごめんなさいっ!
心の中でひたすら謝るしかなかった。
ひそひそと話す声に冷や汗をかきながら、固まっていると杏美ちゃんは苦々しい顔をしていた。
ありがとう神様。
願いは叶いました。
けれど、これは―――
「どういうことよっ!」
白のスーツを着た杏美ちゃんが辞令発表を見て声を張り上げた。
「私はともかくドン子が秘書室!?しかも、お兄様付きの秘書ってなにかの間違いでしょ」
だよね。
もう一度見てみよう。
辞令の紙を見た。
何度見ても秘書室って書いてある。
専務付きの秘書。
「ど、どーしよ!杏美ちゃん」
「それはこっちのセリフよ!ドン子がお兄様の秘書だなんて!尾鷹商事を潰す気!?尾鷹商事はお兄様あっての尾鷹商事なんだからね!?わかってるの?だいたいお兄様は今まで秘書はいらないって言ってたのに」
確かに壱哉さんなら、秘書は必要なさそうだった。
それなのになんで―――?
「なんなのあの子」
「専務付きとか」
「よっぽど能力が高いのね」
ごっ、ごめんなさいっ!
心の中でひたすら謝るしかなかった。
ひそひそと話す声に冷や汗をかきながら、固まっていると杏美ちゃんは苦々しい顔をしていた。