優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第47話 姉の罠
私がイタリア食材のPRをする!?
部長から、日程を渡されて困惑していると、部長が言った。

「会社を辞めろということだ」

水和子(みわこ)お姉ちゃんは私の口から『できません。だから、辞めます』そう言わせたいのだ。
もしくはフェアを失敗させてクビにするか。
どちらにしても、私は会社を辞めるように仕向けてきた。
誰もどうすればいいか教えてくれなかった。

「壱哉さんに聞くしかないけど」

忙しそうな壱哉さんに迷惑をかけたくないと思いながら、イタリアフェアの書類をバッグに入れた。

「これが噂の仕返しなのかな?」

しょんぼりしながら、机を見るとカードが一枚あった。

「ホテルディナー?」

高級ホテルディナーのお誘いなんて、壱哉さんしか思いつかない。
でも、ホテルでディナーなんて何も言ってなかったのに。
前に壱哉さんとホテルディナーをした時はお洒落な服装だったし、今日は普通のスーツだよ?
紺のプリーツスカートにリボンがついた白いシャツで変ではないけど。

「サプライズかもしれないし」

ホテルディナーは時間まで指定してあるから、着替えるのに家に寄るヒマはなさそうだった。
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