優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第48話 協力
壱哉さんはあれ以来、家でも仕事をしていて、忙しそうだった。
「日奈子。今日の夜は外食にしよう。最近、どこもでかけてないだろう?」
「仕事は大丈夫ですか?」
「もちろん」
きっと嫌がらせをされているはずの壱哉さんはいつもと変わらない。
最近の社内はどちらかというと、社員達が安島さんに対して不満を持ち始め、表立っては口にしないけれど、最初の頃はいた取り巻きの人達の数は激減していた。
それに比べ、壱哉さんの周りは一度は裏切った役員達が安島さんの仕事ができないのと、女遊びのひどさに呆れて安島さんから離れたらしい。
常務だった頃、爽やかな人柄を外に見せていたのは婚約者である杏美ちゃんがいたから、まだ装えていた―――と今園さんから聞いた。
会長が体調を回復されたことも大きく、壱哉さんの近辺を警護する黒服を着た人達が会長夫妻から依頼を受けて、ぞろぞろと朝から大名行列みたいになっていて、誰が社長なのかわからないくらいだった。
壱哉さんは心配ない。
でも私は―――
「日奈子。今日の夜は外食にしよう。最近、どこもでかけてないだろう?」
「仕事は大丈夫ですか?」
「もちろん」
きっと嫌がらせをされているはずの壱哉さんはいつもと変わらない。
最近の社内はどちらかというと、社員達が安島さんに対して不満を持ち始め、表立っては口にしないけれど、最初の頃はいた取り巻きの人達の数は激減していた。
それに比べ、壱哉さんの周りは一度は裏切った役員達が安島さんの仕事ができないのと、女遊びのひどさに呆れて安島さんから離れたらしい。
常務だった頃、爽やかな人柄を外に見せていたのは婚約者である杏美ちゃんがいたから、まだ装えていた―――と今園さんから聞いた。
会長が体調を回復されたことも大きく、壱哉さんの近辺を警護する黒服を着た人達が会長夫妻から依頼を受けて、ぞろぞろと朝から大名行列みたいになっていて、誰が社長なのかわからないくらいだった。
壱哉さんは心配ない。
でも私は―――