優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
とりあえず、会場の方と食材はキープした。
調理設備は会場にあるし、後は作れる人を探さないと。
やっと見えてきた光に喜びながら、広報部に戻るとフェアの打ち合わせに水和子お姉ちゃんがきていた。

「そんな見るからに田舎臭い子を使わないでよ!」

「最近、人気のアイドルで」

「人気?こんな平凡な?」

招待する芸能人でもめていた。
お姉ちゃんがいなくなると、みんなは不満そうにして、イライラしていた。

「あんなに言うなら、自分がすればいいのに」

「だいたい命令しかしてないだろ?」

「やってられないわ!」

お姉ちゃんの企画書を乱暴に叩きつけると、知らん顔をして誰も何もしていなかった―――
大丈夫なのかなと思いながら、私は自分の企画書を急いで書いていた。
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