優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第6話 私の隣【水和子 視点】
「よくできた娘さんね。妹さんの面倒もちゃんとみて」

幼い頃から、何をやっても平均以上のことはできたから、それが当たり前のことなんだと思っていた。
自分の鈍臭い妹を見るまでは―――

「それに比べて日奈子(ひなこ)ちゃんは……」

世間一般では平均点なのだろうけど、日奈子は私やすぐ下の妹、緋瞳(ひとみ)の引き立て役で、周囲からはいつも馬鹿にされていた。
何もない所で転ぶし、一つの動作が遅いし、要領が悪い。
見ていて、可哀想になる。
そんな日奈子と違って私は褒められ続けてきた。

「美人だし、頭もよくてさぞやご両親はご自慢でしょうね」

学校だけでなく、習い事の先生達からも褒められるし、周りの大人だって

水和子(みわこ)さんはしっかりされているから、クラスでも頼りになるんですよ」

私への評価はいつも最高で―――
そして、そんな私の隣にはいつも壱哉(いちや)がいた。
私と壱哉は同級生で小学校から大学までずっと同じだった。
お互い対等な能力を持っていたから、よくセットで見られていたし、一緒にクラス委員や生徒会、ミスやミスターのコンテストでも二人で受賞した。
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