優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
「そうか。残念だな」
「少しは遠慮して誘えよ!!俺の仕事が忙しいんじゃない!尾鷹商事の社長にお前が就任してから、あいつ、張り切って仕事するから俺のこと放置なんだぞ!?」
「俺に言われてもな」
今園の性分なのか、祖父母への忠義心なのかわからないが、秘書室室長に戻ると以前に増して仕事に力を入れるようになった。
新婚の渚生には申し訳ないが、助かっているのも事実。
「はー、可愛い日奈子ちゃんがこんな奴と結婚とか。騙されてるよ……日奈子ちゃん」
「俺の優しさは日奈子限定だ」
「言わなくても知ってる。ここ、壱哉のおごりだからな」
「わかった」
話を聞いてくれたのだから、これくらいは安い物だ。
「それで、杏美ちゃんはいつ戻ってくるんだ?」
「さあな。日奈子に手紙を送るようには言っておいた」
日奈子には言ってないが、杏美に会いに行った。
お嬢様育ちの杏美は辛くないのか、安いアパートで暮らしていた。
幸せそうに洗濯をしたり、アイロンの使い方の説明書を見せて俺に『お兄様、これはどうやって使えばよろしいの?』と困った顔で聞いてくるのを見ていると『さっさと戻れ』とは言えなかった。
「少しは遠慮して誘えよ!!俺の仕事が忙しいんじゃない!尾鷹商事の社長にお前が就任してから、あいつ、張り切って仕事するから俺のこと放置なんだぞ!?」
「俺に言われてもな」
今園の性分なのか、祖父母への忠義心なのかわからないが、秘書室室長に戻ると以前に増して仕事に力を入れるようになった。
新婚の渚生には申し訳ないが、助かっているのも事実。
「はー、可愛い日奈子ちゃんがこんな奴と結婚とか。騙されてるよ……日奈子ちゃん」
「俺の優しさは日奈子限定だ」
「言わなくても知ってる。ここ、壱哉のおごりだからな」
「わかった」
話を聞いてくれたのだから、これくらいは安い物だ。
「それで、杏美ちゃんはいつ戻ってくるんだ?」
「さあな。日奈子に手紙を送るようには言っておいた」
日奈子には言ってないが、杏美に会いに行った。
お嬢様育ちの杏美は辛くないのか、安いアパートで暮らしていた。
幸せそうに洗濯をしたり、アイロンの使い方の説明書を見せて俺に『お兄様、これはどうやって使えばよろしいの?』と困った顔で聞いてくるのを見ていると『さっさと戻れ』とは言えなかった。