優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
しばらくはあのまま暮らした方が杏美にとっていいのかもしれないと思えたからだ。
『日奈子には手紙を書くわ。ちゃんと謝りたいから』
と、言っていたが、日奈子は杏美のことを少しも責めたりなんかしていない。
むしろ、手紙がきたら大喜びする姿が目に浮かぶ。
それもあって、杏美を探したんだが―――渚生がひややかな目で俺を見ていた。
「なんだ?」
「いや、結婚しても日奈子ちゃん中心なんだと思って」
「悪いか」
「そんな正々堂々言われると悪いと言いにくいけど、悪いよ!?」
俺は笑った。
笑った俺に渚生は警戒するように身構えた。
分かってる。
俺は日奈子とは真逆の人間だ。
すべて計算づくで、日奈子を手に入れるためにわざと安島に負けてやった。
あの程度の人間に俺が負けるわけがない。
役員達が安島につくように仕向けたのも俺が社長になった時に裏切る奴かどうかを見極めるため。
一番、うまく動いてくれたのは呑海水和子だ。
日奈子をはめようとすることはわかっていた。
どんな手で来るかはわからなかったから、監視カメラをあらかじめ、設置しておいたのがよかった。
『日奈子には手紙を書くわ。ちゃんと謝りたいから』
と、言っていたが、日奈子は杏美のことを少しも責めたりなんかしていない。
むしろ、手紙がきたら大喜びする姿が目に浮かぶ。
それもあって、杏美を探したんだが―――渚生がひややかな目で俺を見ていた。
「なんだ?」
「いや、結婚しても日奈子ちゃん中心なんだと思って」
「悪いか」
「そんな正々堂々言われると悪いと言いにくいけど、悪いよ!?」
俺は笑った。
笑った俺に渚生は警戒するように身構えた。
分かってる。
俺は日奈子とは真逆の人間だ。
すべて計算づくで、日奈子を手に入れるためにわざと安島に負けてやった。
あの程度の人間に俺が負けるわけがない。
役員達が安島につくように仕向けたのも俺が社長になった時に裏切る奴かどうかを見極めるため。
一番、うまく動いてくれたのは呑海水和子だ。
日奈子をはめようとすることはわかっていた。
どんな手で来るかはわからなかったから、監視カメラをあらかじめ、設置しておいたのがよかった。