優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
「指を切ったらどうするんですか!」
「どうするって絆創膏をはるだけよ」
「駄目です!傷でも残ろうものなら、大変です」
「あのね、貴戸。私はもう尾鷹のお嬢様じゃないの。わかる?貴戸杏美。あなたの妻なんだから!アパート暮らしでスーパーに歩いて行って買い物をしたり、洗剤を買いに近所のホームセンターにだって行くような身分なの。なんでもできないとこれから困るでしょ!」
貴戸が『そうですが』と唸った。
そんな真剣な顔で困られてもこっちが困るというものよ。
「明日は私がカレーライスを作るから、手出し無用よ。わかったわね?」
「えっ…!?そ、そうですね……」
貴戸は目に見えて動揺していた。
なによ!
そこは『そうですね』だけでいいのよ?
どうしてそんな動揺してるのよ。
信用無いわね!
見てなさい!
明日、貴戸が参りましたっていうくらい美味しいカレーを作ってやるんだから。
―――私はできる!そう思っていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カレールウを置いた。
これさえあれば、カレーになるはず!
ルウ自体がカレー味なんだからね?
カレーライスを選択した私の考えは完璧ね。
「どうするって絆創膏をはるだけよ」
「駄目です!傷でも残ろうものなら、大変です」
「あのね、貴戸。私はもう尾鷹のお嬢様じゃないの。わかる?貴戸杏美。あなたの妻なんだから!アパート暮らしでスーパーに歩いて行って買い物をしたり、洗剤を買いに近所のホームセンターにだって行くような身分なの。なんでもできないとこれから困るでしょ!」
貴戸が『そうですが』と唸った。
そんな真剣な顔で困られてもこっちが困るというものよ。
「明日は私がカレーライスを作るから、手出し無用よ。わかったわね?」
「えっ…!?そ、そうですね……」
貴戸は目に見えて動揺していた。
なによ!
そこは『そうですね』だけでいいのよ?
どうしてそんな動揺してるのよ。
信用無いわね!
見てなさい!
明日、貴戸が参りましたっていうくらい美味しいカレーを作ってやるんだから。
―――私はできる!そう思っていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カレールウを置いた。
これさえあれば、カレーになるはず!
ルウ自体がカレー味なんだからね?
カレーライスを選択した私の考えは完璧ね。