優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
私の名前【今園】※28話前から後
同期の行きつけの居酒屋で会って以来、なぜか私は野月渚生さんと飲むようになった。
利害関係でもなく、友人関係でもない不思議な私達の関係。
彼は売れっ子の俳優だけあって、外見も世間一般ではかなり良いとされるものではないかと推測する。
そのためか、自然に若い女性が好むようなおしゃれな場所では飲まなくなった。
お互いに。
―――何故なのか?
「なに?じろじろ見て」
「データ化していました」
「今園さんは時々、おかしなことを言うよね。面白いからいいけど」
おでんのちくわとハンペン、大根を皿にいれてもらった。
屋台のおじさんは黙って冷酒を渡してくれる。
すでに馴染みとなった私達の好みをおじさんは把握していた。
「面白いと言われるのは心外です。褒め言葉ではないと思うのですが」
だしの染みた大根を箸で切り、抑揚のない声で淡々と反論した。
野月さんは卵を箸で割って、口に運びながら反撃する。
「褒めてるんだよ」
「馬鹿にしているの間違いでは?」
「ひねくれたこと言わないで素直にそこは『ありがとう』だろ?」
「私がお礼を口にするほどの褒め言葉ではありません」
利害関係でもなく、友人関係でもない不思議な私達の関係。
彼は売れっ子の俳優だけあって、外見も世間一般ではかなり良いとされるものではないかと推測する。
そのためか、自然に若い女性が好むようなおしゃれな場所では飲まなくなった。
お互いに。
―――何故なのか?
「なに?じろじろ見て」
「データ化していました」
「今園さんは時々、おかしなことを言うよね。面白いからいいけど」
おでんのちくわとハンペン、大根を皿にいれてもらった。
屋台のおじさんは黙って冷酒を渡してくれる。
すでに馴染みとなった私達の好みをおじさんは把握していた。
「面白いと言われるのは心外です。褒め言葉ではないと思うのですが」
だしの染みた大根を箸で切り、抑揚のない声で淡々と反論した。
野月さんは卵を箸で割って、口に運びながら反撃する。
「褒めてるんだよ」
「馬鹿にしているの間違いでは?」
「ひねくれたこと言わないで素直にそこは『ありがとう』だろ?」
「私がお礼を口にするほどの褒め言葉ではありません」