優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
無性に渚生に会いたいと願う自分がいた―――自分から初めて連絡をした。
『会えませんか?』と。
私はもっと素直に自分の気持ちを伝えたい。
あの人に。
そう思っていた―――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「なに、別れ話?」
別れ話とは付き合っている者同士がする話ではないでしょうか?と言いかけて口をつぐんだ。
「いえ。ただ会いたいと思いました」
正直に今の自分の気持ちを言うと渚生は驚いて私を見た。
「もう会わないと言い出すのかと思った」
「それはありません」
「……じゃあ、ただ会いたかっただけか」
「そう言いました。それから、前回の嫉妬したかどうかという話に戻りますが、率直に言わせて頂いても?」
「どうぞ。率直なご意見を」
なんともいえない顔で渚生は私にそう言った。
またお互いケンカはしたくない。
けれど、素直になると決めたのだから、私は言っておきたかった。
「私は俳優の仕事をしている渚生を尊敬しています。だから、ドラマも楽しく拝見していますし、演技する姿も好きです。誇らしい気持ちになります」
渚生は笑った。
なんだ、と言って。
恥ずかしそうに自分の顔を手で隠し、私に謝った。
『会えませんか?』と。
私はもっと素直に自分の気持ちを伝えたい。
あの人に。
そう思っていた―――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「なに、別れ話?」
別れ話とは付き合っている者同士がする話ではないでしょうか?と言いかけて口をつぐんだ。
「いえ。ただ会いたいと思いました」
正直に今の自分の気持ちを言うと渚生は驚いて私を見た。
「もう会わないと言い出すのかと思った」
「それはありません」
「……じゃあ、ただ会いたかっただけか」
「そう言いました。それから、前回の嫉妬したかどうかという話に戻りますが、率直に言わせて頂いても?」
「どうぞ。率直なご意見を」
なんともいえない顔で渚生は私にそう言った。
またお互いケンカはしたくない。
けれど、素直になると決めたのだから、私は言っておきたかった。
「私は俳優の仕事をしている渚生を尊敬しています。だから、ドラマも楽しく拝見していますし、演技する姿も好きです。誇らしい気持ちになります」
渚生は笑った。
なんだ、と言って。
恥ずかしそうに自分の顔を手で隠し、私に謝った。