優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第12話 私の不安【水和子 視点】
「ワインフェア、成功おめでとうございます!」
ワインフェアの最終日、最後のお客様が帰り、会場は歓声に包まれた。
「やったな!」
「さすが呑海さんの企画だな」
輸入ワインの契約先を何本もとれた。
レストランやホテル、デパートのバイヤー達との契約は上々だった。
「主任、すごいですね」
「そんなことないわ。皆のおかげよ」
派手好きが多いと聞いて、緋瞳に頼んで緋瞳の友人であるモデルを何人も呼んだのがよかった。
ただ綺麗なだけの女の子ではなく、雑誌やテレビで見るレベルの女の子達にワインの試飲をお願いされると飲まずにはいられず、見栄を張るようにして、契約が成立していく様子は狙い通りだった。
「上からきっとお褒めの言葉を頂けますよ」
私が欲しいのは壱哉からの言葉で他の上司から言われても嬉しくない。
壱哉は専務で私は広報部主任という立場。
同じ社内にいても滅多に会えない。
それなのに日奈子は毎朝、迎えに来てもらい、一日中、壱哉の側にいられる。
普段はぼんやりしている妹くせにこんな人に取り入るのがうまい人間だとは思いもしなかった。
ワインフェアの最終日、最後のお客様が帰り、会場は歓声に包まれた。
「やったな!」
「さすが呑海さんの企画だな」
輸入ワインの契約先を何本もとれた。
レストランやホテル、デパートのバイヤー達との契約は上々だった。
「主任、すごいですね」
「そんなことないわ。皆のおかげよ」
派手好きが多いと聞いて、緋瞳に頼んで緋瞳の友人であるモデルを何人も呼んだのがよかった。
ただ綺麗なだけの女の子ではなく、雑誌やテレビで見るレベルの女の子達にワインの試飲をお願いされると飲まずにはいられず、見栄を張るようにして、契約が成立していく様子は狙い通りだった。
「上からきっとお褒めの言葉を頂けますよ」
私が欲しいのは壱哉からの言葉で他の上司から言われても嬉しくない。
壱哉は専務で私は広報部主任という立場。
同じ社内にいても滅多に会えない。
それなのに日奈子は毎朝、迎えに来てもらい、一日中、壱哉の側にいられる。
普段はぼんやりしている妹くせにこんな人に取り入るのがうまい人間だとは思いもしなかった。