優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
この間は壱哉と二人で出掛けて―――私でさえ、壱哉と二人っきりでどこかに行ったことはないのに。
「呑海主任、お疲れ様です」
イベント会場から社に戻り、社内を風を切るようにして歩いた。
フェアが終わったら、まず秘書室に行こうと決めていて、役員フロアにある秘書室に直行した。
「失礼します。今園室長はいらっしゃいますか?」
今園室長より早く私を見つけたのは壱哉の妹の杏美ちゃんだった。
「あら?水和子さん。どうかしたの?」
「ちょっとね。今園室長に用事があって」
「なにか私にご用ですか」
美人なのにまるでロボットみたいな今園室長が奥から出てきた。
この秘書室室長の笑った所も表情を崩した所も見たことがない。
「少しお話をしてもよろしいでしょうか?」
「構いませんが、手短にお願いします」
今園室長はさっと席を立ち、カツカツとヒールの音を鳴らしながら、廊下に出た。
その後ろから出て、秘書室のドアを閉めた。
「お話とは?」
「私の妹の呑海日奈子なんですけれど、専務付き秘書を外して頂けませんか」
「なぜ?」
「呑海主任、お疲れ様です」
イベント会場から社に戻り、社内を風を切るようにして歩いた。
フェアが終わったら、まず秘書室に行こうと決めていて、役員フロアにある秘書室に直行した。
「失礼します。今園室長はいらっしゃいますか?」
今園室長より早く私を見つけたのは壱哉の妹の杏美ちゃんだった。
「あら?水和子さん。どうかしたの?」
「ちょっとね。今園室長に用事があって」
「なにか私にご用ですか」
美人なのにまるでロボットみたいな今園室長が奥から出てきた。
この秘書室室長の笑った所も表情を崩した所も見たことがない。
「少しお話をしてもよろしいでしょうか?」
「構いませんが、手短にお願いします」
今園室長はさっと席を立ち、カツカツとヒールの音を鳴らしながら、廊下に出た。
その後ろから出て、秘書室のドアを閉めた。
「お話とは?」
「私の妹の呑海日奈子なんですけれど、専務付き秘書を外して頂けませんか」
「なぜ?」