優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
決闘ではなかったことと、水和子お姉ちゃんの行動に驚いてバッグを落としかけ、慌てて、バッグを抱え直した。
「ど、どうしてお姉ちゃんが?」
「知らないみたいね。まあ、私も盗み聞きしてたんだけど」
お嬢様だよね?杏美ちゃん。
「水和子さんはお兄様のことを好きなのよね」
「二人は付き合っているんじゃないの?」
「今のところは友達。尾鷹の人間が簡単に恋人を作れるわけないでしょ。それにお兄様は私と違って厳しく育てられたの。尾鷹の跡取りとしてね」
「そうなんだ……」
だから、杏美ちゃんはこんな我儘に……。
「ドン子。今、なにか私に対して失礼なことを思わなかった?」
「うっ、ううんっ!全然っ!」
「まあ、いいわ。お兄様は上に立つ者として教育されてきたの。自分の感情を表に出さないでしょ?好き嫌いも言えずに生きてきたお兄様は多分、もうずっとあのままよ。私にしたら、あんな人間と一緒にいて何が楽しいかわからないわ」
「そんなことないよ!壱哉さんは笑うし、好き嫌いもちゃんとわかるし……」
「そうよ。ドン子の前ではね。バカだから、大丈夫って思われるのよ」
バ、バカってそんなことっ……否定できない自分が悲しい。
「ど、どうしてお姉ちゃんが?」
「知らないみたいね。まあ、私も盗み聞きしてたんだけど」
お嬢様だよね?杏美ちゃん。
「水和子さんはお兄様のことを好きなのよね」
「二人は付き合っているんじゃないの?」
「今のところは友達。尾鷹の人間が簡単に恋人を作れるわけないでしょ。それにお兄様は私と違って厳しく育てられたの。尾鷹の跡取りとしてね」
「そうなんだ……」
だから、杏美ちゃんはこんな我儘に……。
「ドン子。今、なにか私に対して失礼なことを思わなかった?」
「うっ、ううんっ!全然っ!」
「まあ、いいわ。お兄様は上に立つ者として教育されてきたの。自分の感情を表に出さないでしょ?好き嫌いも言えずに生きてきたお兄様は多分、もうずっとあのままよ。私にしたら、あんな人間と一緒にいて何が楽しいかわからないわ」
「そんなことないよ!壱哉さんは笑うし、好き嫌いもちゃんとわかるし……」
「そうよ。ドン子の前ではね。バカだから、大丈夫って思われるのよ」
バ、バカってそんなことっ……否定できない自分が悲しい。