優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
「えっと、私にもわからないんです、でも命令ですから」
「……はあ。これを専務に渡して頂けますか?専務宛てのお礼状が他の役員の方の所に混ざっておりましたので」
「わかりました。あ、あのっ!今園室長」
「なんでしょう?」
「姉が私の秘書を辞めさせたいって聞いたんですけど、私は秘書をクビになりますか?」
今園室長が微かに笑ったような気がした。
「いいえ。人事権は私にはありません。ですが、私はあなたの秘書は専務にとって悪くないと上に報告しています。今後も頑張ってください」
「そ、そうですか。よかったぁー!!ありがとうございます!」
ホッとして額の汗をぬぐった。
今園室長はさっと背中を向けて、カツカツとヒールの音をさせながら去って行った。
はー、カッコいい女の人ってあんな人を言うんだなあ。
その背中に向けて、心の中で何度もお礼を言った。
壱哉さんの側にいられる。
それが今の私には一番うれしかった。
「……はあ。これを専務に渡して頂けますか?専務宛てのお礼状が他の役員の方の所に混ざっておりましたので」
「わかりました。あ、あのっ!今園室長」
「なんでしょう?」
「姉が私の秘書を辞めさせたいって聞いたんですけど、私は秘書をクビになりますか?」
今園室長が微かに笑ったような気がした。
「いいえ。人事権は私にはありません。ですが、私はあなたの秘書は専務にとって悪くないと上に報告しています。今後も頑張ってください」
「そ、そうですか。よかったぁー!!ありがとうございます!」
ホッとして額の汗をぬぐった。
今園室長はさっと背中を向けて、カツカツとヒールの音をさせながら去って行った。
はー、カッコいい女の人ってあんな人を言うんだなあ。
その背中に向けて、心の中で何度もお礼を言った。
壱哉さんの側にいられる。
それが今の私には一番うれしかった。