優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第17話 恋か愛か
尾鷹商事には社食とは別に一階にはカフェスペースがある。
オープンフロアの広々とした空間に白で揃えられたテーブルと椅子、大きな窓からは明るい日差しがたっぷり入り、外の街路樹の緑とフロアに置いた大きな観葉植物がまぶしい。
杏美ちゃんはカフェスペースの窓際にあるソファー席へ私を連れて行くと、どんっと座らせた。
転がるようにして、ソファーに座ると杏美ちゃんは向かいの椅子に座った。
ううっ……乱暴なんだから……。
「ケーキセット二つ、アイスティーで。ミルクを付けてちょうだい」
「かしこまりました」
私の意見は完全無視で杏美ちゃんはすばやく注文を済ませると、胸の前に腕を組み、ふんぞり返って私に言った。
「聞きたいことは?」
「えっ?聞きたいこと?」
杏美ちゃんはイラッとした顔で私を見て、頭をぱこんっと叩いた。
「ドン子の頭は飾りのようね!?」
「や、やめてよー!」
はー、もうやってられないわ、とブツブツいいながら、杏美ちゃんは運ばれてきた、シフォンケーキとアイスティーを配ってくれた。
ミルクをいれてアイスティーのストローをぐるぐるとかき混ぜながら、杏美ちゃんは言った。